こんにちは!
大阪市住吉区・我孫子前駅すぐの歯医者、川野歯科・小児歯科です。
歯周病は、日本の成人の多くがかかっている身近なお口の病気です。しかし初期の歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどないため、「気づかないうちに進行していた」ということも少なくありません。歯ぐきから血が出る、歯がグラグラするといった症状が出てから受診するのでは、対応が遅れてしまうことがあります。
この記事では、ご自宅でできる歯周病のセルフチェック10項目に加えて、「歯科医院に定期的に通う人と通わない人で、10年後の歯の本数がどれだけ違うのか」という国内外の研究データもあわせてご紹介します。
こんな症状はありませんか? 歯周病セルフチェック10項目
まずは、普段のお口の状態を振り返ってみましょう。次の項目に当てはまるものがないかチェックしてみてください。
□ 歯みがきをすると歯ぐきから血が出る
□ 歯ぐきが赤く腫れている
□ 歯ぐきが以前より下がってきた
□ 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなった
□ 以前より歯が長くなったように見える
□ 朝起きたとき、口の中がネバネバする
□ 口臭が気になる、または人から指摘されたことがある
□ 歯ぐきを押すと出血したり、膿が出たりする
□ 歯が以前より動くように感じる
□ 歯並びや噛み合わせが以前と変わってきた
いくつか当てはまる場合は、歯周病が進行している可能性があります。ただし、これらの症状がないからといって、歯周病になっていないとは限りません。特に初期の歯周病では、自覚症状がほとんどないことがあります。
歯ぐきから血が出るのは歯周病のサイン?
セルフチェックの中でも、特に気をつけたいのが歯みがきのときの出血です。健康な歯ぐきは、歯ブラシが軽く当たった程度では、通常ほとんど出血しません。歯ぐきから血が出る場合、歯と歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)がたまり、歯ぐきに炎症が起こっている可能性があります。
歯肉炎の段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきの際に出血したりすることがあります。この段階で適切なケアを行えば、健康な状態を取り戻せる可能性があります。しかし、炎症が長期間続くと、歯を支えている骨にまで影響が及び、歯周炎へと進行することがあります。
「痛くないから大丈夫」がいちばん危険な理由
歯周病について特に注意したいのが、症状がなくても進行することがあるという点です。むし歯では「歯が痛い」という症状をきっかけに歯科医院を受診する方も多いですが、歯周病はかなり進行するまで強い痛みを感じないことがあります。そのため、「歯が痛くないから歯医者に行かなくても大丈夫」と考えていると、歯周病の発見が遅れてしまうことがあります。
歯がグラグラする、膿が出るといった症状が現れている場合には、歯を支える骨がすでに大きく失われている可能性もあります。できるだけ早い段階で歯周病の有無を確認することが大切です。
定期検診に通う人と通わない人で、10年後の歯の本数はこれだけ違います
「痛くなったら行く」という通い方と、「痛くなくても定期的に通う」という通い方。この違いが将来の歯の本数にどう表れるのかは、世界中で長期間の追跡調査が行われています。
10年間で失う歯の本数の違い
| 歯科医院への通い方 | 10年間で失う歯の本数 |
|---|---|
| 痛くなったら受診(症状が出たときだけ) | 平均 2.2本 |
| 歯科医院に通院している(定期的・ときどき) | 平均 1.2〜1.5本 |
| 徹底した予防管理を継続(定期受診+セルフケア指導) | 0.1〜0.6本 |
日本の歯科医院に通う患者さん1,400名を10年間追った調査では、「痛くなったら受診」の方は平均2.2本を失ったのに対し、通院を続けていた方は1.2〜1.5本でした。「10年で2本以上失う」危険性は、通院を続けた方で約35〜45%低くなっています。また、世界中の8つの研究をまとめた解析(メタアナリシス)でも、定期的に通う方は歯を失う危険性が44%低いと報告されています。
歯周病の治療を終えた方は、差がさらに大きくなります
ドイツで歯周病の治療を終えた患者さん100名を10年間追跡した研究では、定期的に通われた方が1人あたり約0.6本だったのに対し、不定期の方は約2.7本を失いました。歯を失う危険性は約4.6倍です。ブラジルで212名を5年間追跡した研究でも、定期的に通われた方0.6本に対し、不定期の方は1.8本と3倍の差がありました(喫煙されている方では4.2倍)。
| 「治ったから、もう通わなくていい」が、いちばん歯を失いやすい通い方です。歯周病の治療が終わったあとの通院こそが、その歯を残せるかどうかを決めます。 |
30年後には、もっと大きな差になります
スウェーデンで30年間にわたり予防管理を続けた方々の研究では、30年間で失った歯はわずか0.4〜1.8本でした。10年では1〜2本の差でも、20年、30年と積み重なると、「80歳で20本残っている方」と「入れ歯が必要になる方」の分かれ道になります。
歯周病のセルフチェックだけでは判断できません
セルフチェックは、お口の状態を見直すきっかけとして役立ちますが、セルフチェックだけで歯周病の有無や進行度を正確に判断することはできません。歯科医院では、歯ぐきの状態を確認したり、歯周ポケットの深さを測定したり、必要に応じてレントゲン撮影を行ったりすることで、歯周病の状態を詳しく調べます。見た目には歯ぐきが健康そうに見えても、歯ぐきの中で炎症が進んでいることもあります。
また、歯周病の原因となるプラークや歯石は、自分で完全に取り除くことが難しいため、毎日の歯みがきに加えて、歯科医院で定期的にクリーニングを受けることも重要です。
歯周病を予防するためにできること
毎日のセルフケア
歯周病予防の基本は、毎日の丁寧な歯みがきです。特に、歯と歯ぐきの境目にはプラークがたまりやすいため、歯ブラシの毛先を適切に当てて、細かく動かすことを意識しましょう。歯と歯の間には歯ブラシだけでは届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することをおすすめします。
歯科医院での定期検診とクリーニング
定期的に歯科医院でお口の状態をチェックしてもらうことで、自分では気づきにくい変化を早期に発見できます。歯周病は、一度進行してしまうと元の状態に戻すことが難しくなる場合があります。だからこそ、症状が出てから治療するのではなく、症状がないうちから予防することが大切です。
なお、検診の適切な間隔は、お口の状態・歯周病のリスク・生活習慣によってお一人おひとり異なります。3か月ごとの通院をおすすめする方もいれば、6か月ごとで十分な方もいらっしゃいます。ご自身に合った間隔は、ぜひ担当の歯科医師・歯科衛生士にご相談ください。
歯周病についてよくあるご質問
Q. セルフチェックで当てはまる項目がなければ安心ですか?
A. 残念ながら、そうとは限りません。初期の歯周病は自覚症状がほとんどないため、当てはまる項目がなくても進行していることがあります。歯周ポケットの検査やレントゲン撮影で初めて分かるケースも多いため、症状の有無にかかわらず定期的な検診をおすすめしています。
Q. 歯科検診はどのくらいの間隔で受ければよいですか?
A. 一般的には3〜6か月ごとが目安です。歯周病が進んでいる方、喫煙されている方、糖尿病をお持ちの方は間隔を短めに、リスクの低い方は長めにと、お口の状態に応じて調整します。当院では、検査結果をもとにお一人おひとりに合った間隔をご提案しています。
Q. 歯周病は治りますか?
A. 歯肉炎の段階であれば、適切なケアで健康な状態を取り戻せる可能性があります。一方、歯を支える骨が失われた歯周炎では、失われた骨を完全に元どおりにすることは難しく、進行を止めて維持していく治療が中心になります。だからこそ、早期発見と治療後の定期的な通院が重要です。
Q. 歯みがきのときの出血は、放っておくとどうなりますか?
A. 出血は歯ぐきに炎症が起きているサインです。放置すると炎症が続き、歯を支える骨が溶けて歯周炎へ進行することがあります。「そのうち治るだろう」と様子を見るのではなく、一度お口の状態を確認されることをおすすめします。
Q. 何年も歯医者に行っていません。今からでも間に合いますか?
A. ぜひ一度ご来院ください。歯を失うペースは、通い始めた時点から抑えていくことができます。「怒られるのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、当院では現在の状態を確認したうえで、これからどうしていくかを一緒に考えます。
まとめ
「歯みがきのときに血が出る」「最近、歯ぐきが下がってきた気がする」「口臭が気になる」など、少しでも気になる症状があれば、そのままにせず一度お口の状態を確認してみましょう。歯周病は早期に発見し、適切なケアを行うことで、進行を抑えることができます。
そして、研究データが示しているとおり、定期検診に通い続けることは、10年後・30年後に残る歯の本数を確実に変えます。定期的な検診と適切なケアによって、歯周病は予防・コントロールが可能な病気です。大切な歯を長く守るために、ぜひ今日から意識してみてください。
大阪市住吉区・我孫子前の歯医者 川野歯科・小児歯科
当院では、大阪市住吉区・我孫子前駅近くの歯医者として、患者さまお一人おひとりのお口の状態やご希望に合わせた治療をご提案しております。歯周病の検査、クリーニング、定期検診も承っております。最近歯科医院を受診していない方、気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
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・Pretzl B, et al. Tooth loss after active periodontal therapy. 2: tooth-related factors. J Clin Periodontol. 2008;35(2):175-82.
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・Axelsson P, Nyström B, Lindhe J. The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults. J Clin Periodontol. 2004;31(9):749-57.
記事監修者情報
この記事は、以下の歯科医師によって監修されています。
【監修者プロフィール】
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